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キウイ棚立直しプロジェクト-2019

状況説明

2019/9,10 に大規模な台風が房総半島を直撃した。3連続だ。特に最初の15号は強風で、最後の19号は大雨で多くの被害を引き起こした。私は台風の時は、三浦半島の自宅にいた。15号の時、三浦半島で「台風の目」の通過を始めて体験した。台風の目の間、10~15分間だけ、初秋の虫が鳴く静寂になった。不思議な初めての体験であった。
私の中房総の古家も台風直撃で心配した。屋根の瓦が少しズレる程度の被害であった。中でも心配したのは、庭のキウイ棚であった。

キウイ棚は、台風以前から、長年のキウイ古木を支える重みで、かなり傾いていた。これは、かなり前から気になっていた。いつか、この立直しをやらなければならないと考えてはいた。
この台風を契機に、表題の「キウイ棚立直しプロジェクト」に取り組む決心をした。
下の写真が、立直したい、傾いたキウイ棚である。
右の家屋方向から、左の畑方向に大きく傾いている。この棚に、巻き付いているのが、1本のキウイ古木である。摘花、摘果しないと、毎年1,000個以上の実をつけてきた。
ここ数年の私の楽しみは、花の時期の摘花とその後も適時摘果を続け、大きな実のキウイにすることである。まだまだだが、・・・。

 

課題のポイント

このキウイ棚は、単管パイプ(建築工事の足場に使われているヤツ)で、柱が3本X2の計6本で支えている。各柱の上部をそれぞれ、縦横に1間の単管パイプで連結している。畑側だけ、柱の中間を横に単管パイプで連結している。それぞれの柱は、土に打ち込んだだけで、基礎のコンクリート固めなどの処置はない。
そのため、組み立てた単管パイプに、キウイの重みが引っ張る方向に働いて、畑側に傾いてきている。ただ、この状態で10年以上耐えているので、少しぐらい人間が押しても、この傾きが戻るようなことはない。必死に支えてきた単管パイプ構造物を、なんとか立直したいものだ。

全体が左に傾いている。なんとか、この傾きを戻して、まっすぐに立たせたい。簡単化していうと、下図のように、上方を右に引き戻せればよい。

手助けなしで、私一人で、このかなり重い立直しをどのようにできるかが、大きな課題である。
もちろん、立直すことができたら、元に戻らないように、何らかの方法で固定しなければならない。

計画のポイント

私は数年、時々この立直しを考えてきた。三浦半島に移り住んで1年になるが、最近知り合った自衛隊上がりのオジさんに面白い知恵をもらった。立直しの方法である。

傾いた上端にロープを固定し、もう一方の柱の下端にロープ可動端を固定し、下りのロープの途中に輪っかをつくり、そこを通してロープを下に引くというものだ。要は、滑車の原理を滑車ナシで行なうのだ。ただ、滑車ナシだと、ロープの摩擦など、想定以上に難しいと思える。

 

改めて、滑車の原理を勉強する。定滑車、動滑車などを使うことにより、引き上げ物の重量より少ない力で引き上げることができるやつだ。これを複数個組み合わせてやれば、数分の一の力で引き上げることができる。
ネットで探すと、あるある!!
4連の滑車が2つついて、これにロープ付ですでにセットしてある。これが結構手軽な価格で売っている。早速、ネット購入することにする。ギア比1:7ということは、7倍の力を作用させることができる。すごい!!

200kgロープホイスト(7mmx20mロープ付)
使用荷重200kg ギア比1:7 本体重さ2.1kg
値段は5千円弱

少し考えたが、ネットで注文、購入する。
もう一つの課題がある。立直した後、その状態を固定する方法だ。
これは、すでにある単管パイプに直角(近く)になった柱パイプと横のパイプを、新たな単管パイプでハスカイに固定すればよい。すでに立っている単管パイプは、工事用のものと同じで、直径48mmのものである。ハスカイは、それよりも細い直径25mmのもので十分だと思う。細い方が扱いやすい。
単管パイプを固定するのが、単管パイプクランプ(ミニクランプ)である。ホームセンターで48mmと25mm のパイプをつなぐものがあることが分かった。これでいこう。

準備

台風の後、2019年内にやろうと決心する。
12月半ば、中房総に一人で出かける。三浦半島から中房総に行くには、東京湾フェリーが便利だ。久里浜から金谷までフェリーで向かい、その後は高速道を走ると、結構早く着く。すでにロープホイストは購入し、車に積んできた。今回ぶっつけ本番で、始めて使う。

早速、いつも行く大きなホームセンターに出かける。この手の材料は、建設、工事用の資材売り場だ。
まず、単管パイプクランプ(パイプとパイプを固定する締め具)をさがす。48mmと25mmのセットのクランプを16個購入する。
次に、単管パイプの25mm直径を探す。ハスカイ用であり、1mの長さに決めている。店員に聞いて見ると、1mのパイプより、4mのパイプがあるので、それを買って、自分で切断した方が安上がりだと教えてくれる。そのホームセンターは規模が大きく、切断用のモーター式の切断機が備え付けてある。4mのパイプを購入し、それを自分で1mの8本のパイプに切断する。
切断機は、馴れれば難しくはないが、鉄パイプを切るので、結構火花がでる。馴れれば、危険という感じはまったくしない。

これで、必要な材料は揃った。初めてやることだから、うまくいくか どうかは分からない。
結構ワクワクするチャレンジだ。

作業

さて、とにかくロープホイストで、引き起すことができるかどうかである。
それぞれの柱の先端と、一方は根元に固定ロープを固定させ、そこにホイストのフック(引っかけ金具)を取り付けて、ロープの端を手で引っ張る。
力を入れれば入れるほど、傾いた柱は立ち上がる。直角になるほどにはいかないが、かなりイイセンまでは行く。
一人の作業であるので、この引っ張ったロープを固定する必要がある。下方のフックに食い込ませると固定できた。

固定したまま、上方の柱と横棒をハスカイでミニパイプを固定する。二つの角をしっかり固定すると、ロープホイストは外せる。

これを3組の柱を順番に繰り返す。ついでに長いパイプ方向にも、同じ方法で斜めの傾斜を少し立直す。
ハスカイのミニパイプは、事前に仮止めしてから、ホイスト引っ張りした方が効果的であった。

作業開始したのが、午後2時半頃だったので、全部が終了する頃には、冬の夕方は暗くなっていた。しかし、結果的に1人で、まあまあのできになったと思う。

結果と反省

立直し作業の前と後は、下の写真のようになった。立直しの努力の跡は見てもらえると思う。
<Before>

<After>

反省は、「思ったより何とかなった」という感じだ。事前に手で押しても、相当な堅さ、重さであったので、難問だと覚悟していた。
やはり、知り合いのオジさんのヒントと、それを踏まえて手軽な滑車セット(ロープホイスト)を手に入れたのが大きい。さらに、それを固定する方法が適切であったと思う。

何事も「案ずるより、生むが易し」

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