<本稿内容は2018/春に、人間関係資産論および関連書籍に追加した >
人間関係を資産と考えること自体に、違和感を持つ人が少なくない。ある種の嫌悪感を持つ人もいる。
それは、「自分の利益のために他人を利用する」、「他人を踏み台にする」といった、自己中心的なことをイメージすることが原因だ。場合によっては、よく考えないために、結果的にこれらと同じことになることもある。
人間関係資産の使い方が難しいのは、この危険性をはらむためである。こういうことは避けなければならない。
正しい活用方法を守ることが大切なのだ。人間関係資産を使って行動する場合、その行動が「正しいことであるか」を確認する必要がある。
人間関係資産の活用には、正しい方法と間違えた方法があることを理解し、間違えた方法である場合は絶対にその行動をしてはならない。
正しい活用と間違えたことを整理する。その判断のためには2つのことを考えなければならない。
一つ目は、その活用が法的、社会常識に反していないかということ。社会常識に反しているということは、何らかの実害が想定されるかどうかがポイントになる。
二つ目は、利害関係者にとってどういう影響を及ぼすかということで、判断のほとんどを占める。利害関係者は、自分、相手およびその他の第三者に分けて考える。
それぞれの関係者に、検討している活用行動がどのような影響を引き起こすかを検討する。その影響は、経済的、人間関係的、時間的経緯、影響の大きさなどを考えて、プラスになる場合(〇)、マイナスになる場合(×)、どちらでもない(△)という評価をして整理する。
この結果を下図表に示す基準で正しいか、間違えているかを判断する。微妙な人間関係を使って新しい価値を創造するのだから、慎重に吟味して必ず正しい価値を生み出すようにしなければならない。
実際に具体的な活用案が正しいかどうかを確認する時、手順として分かりやすくするため、フローチャートにした。内容的には上記図表と同じことである。