今回のコロナ禍で、結果的に改めてフォーカスされた、リモートワークの課題がある。
もう、30年も前に私は外資系のコンピュータメーカに勤めていた。その時期、すでに世界中の社内は電子メールでやりとりしていた。日本ではまだやっていなかったが、その会社の中のある国ではリモートワークしている人がいると聞いたことがある。
その後勤めた20年前の外資系コンピュータメーカでは、私のマトリックス組織(階層構造の組織と特定機能の横断組織で縦・横に構成する組織:私のばあは、全社横断のプロジェクトマネジメント機能が横組織)上の一つの上司はヨーロッパの田舎(?)で自宅を本拠にしていた。本社は米国にある。その人は、全社のその機能(Project management)の責任者であったわけだ。
年に数度は、日本に来たり、米国で世界中からその機能のマネジャーを集めて、数日間の会議を行ったものだ。

今回のコロナ禍で、政府がリモートワークを推奨し、そのためのCommunication tool なども多く可能になり、実質的にかなりすすめられた。
職種や業種にもよるが、このインターネット環境の成熟を前提にして、Face to Faceでなくても仕事をやれる環境は相当に成熟してきている。そういう意味では、コロナ禍を機にして、一気に前進させることになったわけだ。
この先、更にリモートワークを前提にした仕事の進め方を合わせていけば、更に前進させることは、そう難しい話ではなかろう。

既に、東京都心の事務所スペースなどは、縮小する企業もかなり出始めているらしい。企業論値からすれば、家賃に高いコストをかけるのは、今までは必要悪として甘受せざるを得なかったが、少しでも低減できるなら、低減するのは当然のことだ。地価や家賃の安い地方に本社を移す会社も出始めている。

リモートワークのもたらすメリットは、家賃を安くすることが主要因でなく副次効果かも知れないが、コスト減少化のために重要なことではある。

本当の課題は、リモートワークによる、個人の働き方が改善されることであり、更に仕事の効率化や品質向上につなげることである。そのためには、仕事のやり方、進め方等を根底から見直すことになるはずだ。

昔、はやった、業務改革といったイメージで、徹底した全体最適視点の業務設計をやり直すべきである。そして、その時、インフラとしてのネット機能だけでなく、業務処理サポートのソフトがポイントになるはずだ。ネット機能、リモート勤務を前提にした業務サポートシステムこそが、本当に革新できるかどうかの決め手になる。IT業界の絶好のビジネスチャンスになる。