本気で日本中が自粛してきた効果が表れてきたのかも知れない。
2020/5/19 朝の時点で見る限り、東京、大阪等を中心に、日本全体で新たな発症者数などが、目に見えて減少してきた。データが正しければ、終息に向けて進んでいることは間違いない。

本日朝のTVを見ていて、すごいものを見た。
世界中で出色の対応を見せた台湾と、元々科学的アプローチには定評のあるドイツでの研究結果だ。
発症者の感染力が初期に高く、1週間少し程度で感染力が落ちるという、定量的な分析結果である。
日本では、体温がある日数継続する人は検査する、とか感染を認められた人の隔離、安静などの対応指針が、明確なデータなしに、感覚的に(ザックリ)示すことしかできていなかった。ザックリでも示したということは、一定の根拠がないとできないので、大まかな傾向は分かっていたに違いない。その大まかなものに、安全係数をかけて、公にしていたのだろう。
ただ、いったん終息の傾向が見えてきている今の時点で、日本初のこの手のデータが一つも発表されないのは、どういうことだろうか?
この手の、初めて経験するような危機状況では、余裕があるなしの問題でなく、データに基づいた研究、検証は必須の仕事である。

再発防止とか、経験を生かすということは、口当たりのよい文学表現である。ただ、それは具体的な、定量化された分析と対応策の裏打ちが必須条件である。

政治家などは、口当たりの良いことしか言えない連中である。願望や自分の都合のいいことだけを強調する連中なのだ。
それを支える実戦部隊、官僚、役所、医療機関、研究部隊等が、忖度三昧の体たらくに陥っていては、同じ失敗を繰り返すことになる。
現状の、足元のふらついた状態で政治主導を強行することは、誰もいい方向に行きつくことはない。政治主導をする者の見識と理解力、洞察力が必要条件である。条件を満たさないものが、性急に走り過ぎると、いろいろな問題を引き起こし、まき散らしてしまう。

世界に少し先行して、コロナを終息できたとしても、この本質的な構造、力関係を見直し、改善できなければ、結局、近未来に新たな危機対応で同じような失敗を繰り返すに違いない。
そう考えると、日本にとって、現在の終息傾向がいいのか、もう少し痛い目に遭ったほうがいいのか、多いに気になる。