2020/5/10 朝、ネットを見ていて、興味深い記事に出会った。
「中国でコロナ禍をきっかけに「絶交・絶縁」が急増している殺伐事情」という記事だ。 記事へ

人間関係そのものに、今回のコロナ騒動が大きな変化、影響を及ぼしているという話題である。今までの人間関係が大きく崩れているというのだ。

この記事を見て、まさに人間関係、人間関係資産論に直結するヒントがあると思った。
人間関係の成り立つインフラとして、社会環境や生活環境がある。そのインフラの上に、個性の異なる人間がひしめきあって生きているのが人間社会である。
インフラの大きな変化は、そこに住むすべての個性に対して直接的、間接的に大きな影響を及ぼす。そして、それぞれの個性(人間個体)は、その変化に対する構え方は異なる。
その個性の変化が、他者との関係性に大きな影響を及ぼすというのが、この記事から考えることである。
そもそも人間関係というのは、個性の異なる個人の存在が前提になっている。その個性(ものの考え方や他者への対応表現)が、インフラの激変に対応して、大きな揺らぎを起こすとき、余裕がなくなり、本当の個性(素の個性)が直接的に表に出てくる傾向があるということだろう。感覚的には、理解しやすい。

コロナ騒動のような、危機的に人間関係のインフラを揺さぶることが起こると、個性が直接的に表面に出てくる。そして、今までの人間関係、ひいては人間関係資産が大きな変化を起こすということだ。人間関係資産論が、いわば平時の、緩やかな時代を前提に考えてきたと思い至る。もっとダイナミックな地盤変化が起こるとき、積み上げた人間関係資産が大きく変動するということだろう。
ただ、この記事ではマイナスの変動に焦点を当てているが、プラス面の変動も起こりやすいことに着目すべきと思う。研究、思索のヒントになる課題である。(井野)