2010/10に入って、それまで底なし沼のような様相を呈していたコロナが、急速に終息方向に向かっている。
ワクチン接種が進んだと、日本政府はいつもの我田引水の屁理屈で評論している感がある。
いろいろなデータは、以前よりは多く目にすることが可能になってきてはいる。各種統計データも、いろいろな視点から分析しているようだ。

しかしながら、素人分かりのする「なぜ減った?」に直接的に答えるものは見当たらない。ワクチン接種一つで、この減少を生み出したとは到底思えない。また、それを科学的に証明するものは見当たらない。何となく、コロナ疲れの人間と同じく、コロナ自体も疲れて一休みしているように感じられる面もある。このまま、疲れて、終わりにしてくれればいいが、疲れが取れて、また元気になることもあり得る。それが最も恐ろしいシナリオだ。

要は、我々人類は、科学的なレベルでコロナに対応できていないことだけは、間違いない。今までの科学万能方法の人類進化は、結局、まだまだ未熟なレベルでしかないということかも知れない。
もっと、客観的データを正確に掴む努力をしなくてはいけない。そして、起こっている事象を俯瞰して、本質的な問題、原因、スキームを可能な限り正確に把握する努力にエネルギーと知恵をつぎ込む努力をするべきと思う。今年のノーベル賞の真鍋さんが、俯瞰しそこから本質的なものを探す方法でやってきたと述べられたそうだが、まさにそういう方法論をもっと洗練し、多くの人間絡みの分野に応用すべきなのではないか。気象分野と同じように、人間集団、マスと捉えるべき分野は、今後の大きな研究分野であると思う。

今までのやり方を無反省に、現象が過ぎれば「オレの手柄」として自賛するアホ達はともかく、過去の反省・検証をきちんとしたうえで、次に備えることが最も喫緊の課題であることを忘れてはならない。
(2021/10/16 井野)