学生を狙ったUSB詐欺に見る人間関係資産悪用
    2019/12/22 ネットニュースから

ネットニュースで見た記事から考えるべきことがある。記事内容のポイントは、概略以下。
1) 学生を狙った巧妙な詐欺。
2) 学生に、USBを約50万円で買わせ、それに入っている「もうけの方法」を教える。
購入のための資金を学生ローンなどで借入れさせる。
3) USBで示す方法で儲かることはかなり難しい。
4) 一方で、そのUSBを友人に紹介し、購入に至ると、バックマージンが入る。
学生に対し、30人程度の友人を対象に、声がけするよう促すようだ。
典型的な「ネズミ講」である。
これを繰り返せば、ローン返済も含め、キックバック収入が入る。

この記事に見る、人間関係資産論から見た問題点を考える。
ここで問題視すべきは、上記4)で自分の知り合いの学生(ほとんどは先輩、後輩、同級生等)に対し誘うことを(強く)促していることである。
要は、「ネズミ講」の多くに対していえるが、自分の関係している身近な人をターゲットにさせていることである。これは、人間関係資産論の人間関係資産そのものを使うことだ。

実際問題、ネズミ講を分かったうえで、他人を巻き込む場合、自分とは少し離れた知合いなどをターゲットにすることが心理的にやりやすいはずだ。本当の身内や親しい人を巻き込むことは避けるのが普通の心理である。
資産論でいうと、友好度の低い資産を対象とするわけだ。しかもドメインは、学校に類するものとなる。
ネズミ講であることを理解しないで、他人を探す場合は、親しい人を対象にすることはあるだろう。または、理解していても、他に適当な人がいない場合、承知の上で近しいひとを対象にする場合もあろうが、少ないはずだ。

私は人間関係資産論で、自分の人間関係資産を正しく使うための判断基準を定め、フローチャートにしている。(以下の通り)

本件の場合は、図の赤線部分であり、明らかに正しくない使用方法になる。

このフローチャートでいえば、最初の判断で、この目的の活用は絶対にしてはならないことである。
ただ、問題は、この活用目的を本人が理解できているかである。理解できていない場合、この最初の判断は誤るかもしれない。ただ、その場合でも、3番目で冷静に判断できれば間違いに気付くはずである。
(2019/12/25 井野)