その人を特徴付ける、いろいろな分類がある。強気と弱気、豪気と繊細、おおざっぱと緻密、無口とおしゃべり、などなど・・・。

今回は、「ま、いいか」体質と「ん、ちょっと待て」体質という切り口で考えてみる。
私自身で考えても、両者は場合によって、状況によってどちらも出てくるような気がする。

「ま、いいか」
何かが起こった時、特に都合のよくないことが起こった時、ま、いいかとやり過ごすことが多い人がいる。もちろん、都合の悪い度合いにもよるが、比較的鷹揚に気にかけないようにする人だ。

「ん、ちょっと待て」
同じようなことが起こっても、かなりこだわって考える人がいる。自分で納得がいくまで、じっくりと考える。

どっちがいいのか?
どっちの傾向がいいのだろう?単純に思う。
これは、楽観的に考えることと悲観的に考えることに対応するだろう。
あらゆる場合に対して、どちらがいいかということは、乱暴すぎる気がする。しかし、これらが、人間の性格を特徴付ける一つの考え方だとすれば、あらゆるケースでこれに基づく対応がされると考えるべきであろう。
前者、「ま、いいか」によると、本当に問題を含む状況で、そのことを見過ごしてしまうことに直結する。後で、思わぬ結果が出てから、「あの時、よく考えればよかった」という後悔につながる。もっとも、こういう性格の人は、結果が出ても、それがあの時の「ま、いいか」に原因があるとは気づかない。
後者、「ん、ちょっと待て」によると、些細なことまで、くどくど考える癖が目立つ可能性がある。しかし、前者との比較で言えば、ちょっと考えることによって、思わぬことに気づく可能性がある。ちょっと考えて、思わぬことに考え至ると、対応策を考え、行動することができる。これは、前者とは、大きな違いが出てくる。
ただ、これを逐一こだわっていると、暗い性格の付き合いにくい奴になってしまう恐れがある。それは、結果的に別の好ましくない結果につながる可能性が高い。
要は、程度問題である。程度を間違わなければ、後者「ん、ちょっと待て」の方が、新しい発見や、問題の所在・解決につながる可能性が高くなる。

結論
私の結論は、少し意識してでも、「ん、ちょっと待て」の癖をつけたほうがいい、ということである。
すでに、そういう癖のついている人は別にして、世の中の大半の人は前者の傾向が高いと思う。そういう人は、意識して、「ん、ちょっとまて」発想の癖をつけるべきである。今の世の中、この先の世の中の最大のリスクである「大衆無知・迎合主義」の原点が、この辺りの個人の考え方にあると思う。

(2020/2/19 井野)