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2-11)情理バランス

漱石は草枕の中で「知情意」をいいました。私が若い頃、発想した仮説を以下にご紹介します。人が心を決めるときに、何をよりどころにするのかということです。それは人によってずいぶん違いがあるのではないかということです。そういう問題意識で観察して発想したのが、「情理バランス」です。
情(感情)と理(理性)のバランスは個人差がありますが、突き詰めた意思決定をせまられた場面では、これが顕著に出てくるという仮説です。昔から情と理については多くの人が述べていますが、ここでのポイントは定量化をイメージしていることです。

例えば、「情理バランス6:4の人」というと、ものごとの判断をするときに、感情的感覚的要素60%、理性的要素40%の割合で決める傾向がある人、というように使います。どういうバランスがいい、悪いということではなく、単に人間の行動の仕方を観察した人間観察のひとつです。

例えば、社員数50人規模の会社の社長は、情を前面に出したほうが会社全体のまとまりがよくなるでしょうし、200人になった会社の社長は、より理を強めないと社内のまとまりが悪くなります。トイレで用を足しながら、となりの社員に声をかける社長が、「XXさん、細君の調子はどう?」と一言かけられるのは前者で、後者では名前が思い出せる社員と思い出せない社員が出てきて、ヘタに名前付きで声掛けしないほうが無難ということになりかねません。人数が増えて名前を知ってもらえない社員は何かを感じるかもしれないのです。この場合の情理バランスの理へのシフトということは、組織化とか組織力の重視ということです。昔から、「人は器に応じて成長する」とか「役割が人を育てる」といわれています。このことは、成長する人間集団で同じリーダが継続する場合には、リーダ自身の情理バランスを切り替えていく必要があるといえます。人間集団のリーダは、その規模・構成に応じた「望ましい情理バランス」があるのです。

(本項、40年ぐらい前に私が発想したことです。今でも悪くないと思っています。)
情理バランス

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